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ご無沙汰しております。
寒さも厳しくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は患者さんからよく聞く、ピルに対するイメージを一つ一つ解説していきたいと思います。
①「ピルを飲むと太る?」
確かに以前のピルは体重増加と関連がありました。
女性ホルモンの量が多かったことが原因と考えられます。
現在ではピルの低用量化が進み、
最近では超低用量と言われるピルが出てきています。
エチニルエストラジオール0.02mgというのが超低用量のピルです。
低用量ピルでは体重増加との関連はないと言われています。
「太る」ということはありませんのでご安心ください。
②「ピルを飲むと癌になる?」
ピルの服用により乳癌のリスクが若干上昇する可能性はありますが、
リスクは変わらないとする報告もあり、
まだはっきりしていないところです。
また、長期間の服用で子宮頸癌のリスクが増加する可能性はありますが、
これもまだはっきりしていない部分が多いです。
子宮頸癌はHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因で起こります。
一説には既に感染しているHPVの排除率が低下するという説もあります。
こちらもまだはっきりしていないところですが、
ピル使用中は(使用していない人もですが)定期的な子宮頸癌検診をお勧めします。
上記のような意見はありますが、卵巣癌、子宮体癌、大腸癌に関しては
リスクを下げると言われています。
(個人的にはこちらのメリットのほうが大きいのではないかと思っています)
③「ピルを飲むと妊娠しにくくなる?」
ピルを中止した後、妊娠しにくくなっている、と思っているかたがいらっしゃいますが、
そんなことはありません。
様々な研究をまとめた報告によると、
ピル中止後12ヶ月以内に75~90%の人が妊娠すると言われています。
また、ピルを飲んでいた期間も影響しないと言われています。
ですので、長期間飲んでいるからといって、心配する必要はありません。
以上のようなことが患者さんからよく聞かれる質問です。
副作用がないわけではありませんが、
個人的にはメリットのほうが大きいかと思っております。
血栓症の副作用に注意しつつ、子宮頸癌・乳癌検診をきちんと受けていくことで
安心して使用していけるのではないかと思っています。
当院ではピルを処方する際、
看護師からピルのメリット、副作用についてしっかりと説明させていただきます。
きちんと理解した上で使用することが大切だと思います。
しっかりと自分の病状を理解して、
薬のメリット、デメリットも理解し、
その上でその薬が自分に必要であると理解して使用していく。
そういった姿勢が必要であると感じています。
月経痛やPMS(月経前症候群)などでお悩みのかた、
一度相談にいらしてください。