ブログ
Blog
Blog
暑い日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ブログの更新があいてしまい、申し訳ございません。
患者さんから「先生のブログを読むと、、、」というお話を聞くと、
「あ、読んでくれている人がいるからがんばらないと!」という気持ちになります。
できる限りブログを通して皆さんに情報提供していきたいと思います。
今回は ”月経困難症” についてお話したいと思います。
正確な情報を提供するため、今回の話の内容は
日本女性医学学会の「女性医学ガイドブック」から主に抜粋しています。
( )の中は私の個人的な意見と思ってください。
月経中に子宮が痛くなる月経痛というものがあるということは
知らない女性はいないと思います。
全く痛みがない人もいますが、
中には痛くて起き上がれず、学校や仕事を休まなければならない、という方もいます。
女性が月経痛で仕事を休むことによる経済損失は大きなものです。
女性が自身の月経をコントロールしていくことは、
心身ともに健康な生活を送る上で必要なことだと思います。
「月経困難症」とは、
「月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状」のことです。
下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、吐き気、頭痛、疲労感・脱力感、
食欲不振、イライラ、下痢、抑うつなど、様々な症状があります。
月経困難症には、器質性月経困難症と機能性月経困難症があります。
器質性とは、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮奇形などの
疾患に伴って起きるものを言います。
機能性月経困難症はそれらを認めない月経困難症のことです。
治療は共通しているものも多いですが、
器質性の場合は手術が必要になることもあります。
器質性でも手術が必要でなければ薬での治療になります。
薬の治療としては、
①鎮痛剤
②低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(LEP)
③漢方薬
また、子宮内膜症のあるかたには、
④プロゲスチン製剤
また、機能性月経困難症のかたには
⑤レボノルゲストレル放出子宮内システム
などがあります。
①の鎮痛剤は、月経痛のあるかたがまず使う薬だと思います。
婦人科を受診する前に、まず市販の鎮痛薬を使っているかたがほとんどです。
婦人科を受診するころには、鎮痛剤も効きづらくなっていたり、
使用頻度が増えている、という状況になっているかたが多い印象です。
②のLEPは、一般的にいう ”ピル” ですね。
月経困難症の治療のため保険がきくものをLEPと言っています。
以下、ピルと言いますね。
(私のクリニックでは月経困難症の治療に最も多く使用しています)
④は子宮内膜症のあるかたに使うお薬です。
(子宮内膜症があると断定できないかたでも、
ピルの適応にならないかたに対して、
臨床的子宮内膜症として処方することもあります)
⑤は子宮内に入れる器具で、一度入れたら5年間有効です。
その器具からレボノルゲストレルというホルモンが出て、
月経痛を和らげたり、出血量を減らしたりしてくれます。
ピルと違い飲み忘れの心配がなく、全身的な副作用の心配も少ないというメリットがあります。
ただ、お産の経験のあるかたに適している治療です。
10~20代の、お産の経験のない女性では、ピルでの治療が多くなります。
ピルについてお話すると長くなるので、次回にいたします。
今回も長くなりましたが、最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。