今回はホルモン補充療法の効果（メリット）についてお話したいと思います。

今回のお話は基本的に「ホルモン補充療法ガイドライン」に沿ってお話ししますが、

途中、私の個人的な意見も入りますので、ご了承ください。

個人的な意見のところは（　）をつけますね。

 

ホルモン補充療法のメリットとしてはまずなんと言っても、

・更年期症状の改善

・骨密度の上昇

この二つが大きいと思います。

 

まずは更年期症状についてです。

ホルモン補充療法は、ホットフラッシュ、睡眠障害、関節痛、

手足の痛みに改善効果があると言われています。

結合型エストロゲン（内服のホルモン剤です）という薬では、

寝汗、性機能障害、腟の乾燥感、記憶力低下、頻尿、精神的症状も

改善すると言われています。

結合型エストロゲンはかなり昔からホルモン補充療法に使用されてきたお薬なので、

データがたくさんあります。

（比較的新しい薬に関しては結合型エストロゲンほどの量のデータはありませんが、

同様の効果がある可能性はあると思います。）

 

次に、骨密度についてです。

閉経後、女性は骨密度が急激に下がります。

閉経後何も対処しなければ、10年後、20年後には多くのかたは骨粗鬆症になってしまいます。

しかし、女性ホルモンを補充することで、

ホルモン剤の製剤の違いや投与量によらず、

骨吸収を抑制し、骨密度を増加させる作用があります。

結合型エストロゲンでは骨折の予防効果もあると言われています。

 

更年期症状と骨密度以外の効果はどうでしょうか？

 

脂質に対する効果では、

製剤の違いによって効果にも違いがあるようですが、

悪玉コレステロールの低下、善玉コレステロールの上昇などの効果があるようです。

 

糖尿病に関しては、

経口（内服）のホルモン補充療法は糖尿病の新規発症を抑制する効果があると言われています。

ただ、糖尿病の予防目的に使用するにはまだ根拠が乏しいようです。

 

血管に対する作用はどうでしょうか？

ホルモン補充療法は、血管の内皮機能を改善する作用があると言われています。

（血管内皮機能が低下すると動脈硬化につながりますので、

動脈硬化の予防につながるかもしれません）

 

美容的な効果は、と言いますと、

ホルモン補充療法で皮膚のコラーゲン量が増加し、

皮膚の厚みが増す可能性があると言われています。

まだ美容目的にホルモン補充療法を勧められるほどのデータはありませんが、

おそらく皆さんが一番興味のある部分ですよね。

（個人的には、主に美容効果を期待してホルモン補充療法を施行するのも

ありかな、と思っています。

もちろん他のメリット、デメリットなどを十分理解した上で、ですが）

 

最後に大事なメリットについてです。

ホルモン補充療法は、大腸癌、食道癌のリスクを低下させ、

胃癌のリスクも低下させる可能性があると言われています。

 

長くなってしまい申し訳ございません。

お伝えしたいことがたくさんあり過ぎて、、

まだ伝えきれていないような気がしますが、、

次回は副作用についてお話したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。